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php-srcにコントリビュートしまくったらサイボウズ株式会社に入社しました

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公開するのはちょっとまって

7月1日付で契約社員として就職しました。6ヶ月間頑張ります

社名を隠す意図は特にない(し、むしろ推奨してる)のですが、もうちょっと時間をください。精神的な余裕ができたらここで公開しますー

7/13日更新: 以下を公開しました

サイボウズ株式会社に入社しました

このたび、2023年7月1日付けでサイボウズ株式会社に入社しました。GaroonというPHP製の製品を扱います。なお、契約形態は有期雇用(契約社員)です。 6ヶ月に1回更新という形です。

なぜにサイボウズ株式会社に入社したか

その前になぜ採用されたのかをお話しすると「php-srcにコントリビュートしてるから」です。だけ(という認識)です。そこからぐちゃぐちゃな経歴、苦手な面接などを経て、有期雇用になったという認識です。

php-srcのコントリビュート

2022年の年末に、非公式 PHP 8.1のmbstringアップグレードガイド を執筆したところ、PHP 8.1のmbstringのMajor Overhaul of mbstringを執筆しているAlex DowadさんにひたすらGitHub上でメンションされてしまったため(あとすげえ楽しくて)、ひたすらレビューをしまくりました。2022年の年末からずっと。

その影響で、自分もプルリクエストを書いたりして、GitHub上でもContributorフラグをもらえたりと、色々と貴重な経験をさせてもらっていると思っています。

重い重い負荷

とはいえ、それはそれは、自分の時間をめちゃくちゃ奪いまくったレビュー作業でした。とはいえ、自分にとって嫌な時間ではなくむしろ好きだったのでいいんですけど、かなり奪われまくったので、フリーランスとしての活動に限界が訪れてしまいました。

膨らむ経費、寄付のお願い

たとえば、寄付のお願いのように、お金をいただくということにも「すみませんが…」って感じではあったのですが、GitHub Sponsorsなどで募るなどしていました。しかしながら、php-srcをコンパイルするマシンを購入したりしたため、考え方(寄付 - PC代)によっては大赤字であることには変わりないという感じでした。

どうしてそんなことをしたのかというと、PHP 8.3のmbstringでは、x86系統のCPUではSSEやAVX2などのSIMDを利用したUTF-8バリデーション、UTF-16コンバートなどを行うようになったためです。それらのCPUでは高速化の恩恵を受けられますが、それ以外のCPUでの動作と異なるわけです。つまりデバッグしなきゃならないわけですね。Raspberry Pi、M1 / M2 macをはじめとしたARM系のCPU、RISC-VのCPUなど、様々なアーキテクチャがあるのがこの世の中なので、意外と侮れませんね。

現場「まあ、本業に影響なければいいんじゃない」

フリーランスの現場にとって、ビジネスとしてのエンジニア活動を行わなければ、ただの価値のないパーツであり、歯車ですらないゴミなので、さっさと取り除くのが吉です。とはいえ現場はPHPで動いているのに、「本業に影響がなければいいよ」というくらいの感じだったところや「それって何か役に立つんですか(言われてない)」という雰囲気を感じたとかでしたかね(言われてないけど)。

php-srcのコントリビュートと、実際の開発というのはそのくらい遠いギャップを感じるものであり、いわゆる使えない技術であって、それならTwitterで設計の話をしている方のほうが使えるに決まっているわけです。

実は戦略通り

35歳になりました。35歳になって思う「プログラマ35歳定年説」といろいろというエントリを書いたりしました。

最初に働いた会社(15年くらい前)で、先輩プログラマーが35歳過ぎてどんどんと食えなくなっていく姿をみることで、「なにかに尖らないと35歳とかで飯が食えなくなるんだな」ということを実感し、ひたすら低レイヤーや基礎を見にいけるだけ見に行きました(独学なので自己満足の世界ですけどねっていうくらい、奥が深くて分かってない)。「そんなものは役に立たない」「新しい技術を学び続けることこそエンジニア」みたいなことを言われまくっては馬鹿にされたり(そうはいってもGitといったバージョン管理システム、AWS、CakePHPからLaravelとか変化はあった)、上記のありさまでしたが、それでもつよい部分は作れました。戦略通りです。文字コードしかわからんけど。何もわかんない。

ただしオススメはしない

この生き方は万人におすすめできるものではないです。なぜならば、ぼくのようなphp-srcに貢献する人を支えてくれる会社っていうのは、日本国内で指を数えるくらいしかないためです。それならば自分が共感できるビジョンの会社に入社して社会を変える・支えるとか、フリーランスとして働くか、法人成りでもなんでも生き方・人生の充実のさせかたはあるはずです。まずはエンジニアなら技術を磨くことは必要条件ですが、ぼくまでやりすぎると市場が狭まっていきます。

ここが駄目なら次はない!😣くらいに思ってます。

php-srcのコントリビュートに必要になった

GaroonくらいPHPのバージョンアップに色々と神経をとがらせる必要のある製品を扱っている場合、PHPのバージョンごとの挙動の変化が重要になってきます。ぼくもぼくで、「PHPのmbstringがどのように使われているのか」というユースケースが欲しくなりました。また、サイボウズの組織としてのお力をお借りしたいということ(なんとOSS推進室という部署もあるんですよ)と、ぼくのphp-srcへのコントリビュートでのノウハウが使えるのでは、それがうまく合致してくれれば嬉しいなというのが入社した理由です。

こんな理由で入社するのも珍しいのかな?

まずは

契約更新(か、無期雇用の転換)できるように頑張ります。でないと、2024年1月という「PHP 8.3の次のバージョン(8.4だとは思う)」の変化の激しい冬の時期に放り出されることになるので…

2023/07/04 23:03